木の家を、長く。
そのために私は
ホウ酸をすすめます。
シロアリと木材腐朽菌は、日本の木造住宅にとって最大の劣化要因です。 世界には、木材をホウ酸で守ることが建築の標準になっている地域があります。 私がホウ酸をすすめる理由は単純で、揮発も分解もしない素材だからです。
このサイトは、木材保存を仕事にしてきた一個人が、ホウ酸処理の考え方を 自分の言葉で書いたものです。ホウ酸の苦手なことも、合成殺虫剤の効果が切れる話も、同じ温度で書きました。
このサイトの要点(先に結論)
- ホウ酸処理は、鉱物由来のホウ酸塩を木材に含浸させ、シロアリと木材腐朽菌の両方から構造材を守る木材保存の方法です。揮発も分解もしないため、水で流出しない限り効果が続き、再処理は不要です。
- 合成殺虫剤による防蟻処理は、業界団体自身が「薬剤の有効期限は5年」と定めています。農薬評価書の土壌中半減期は成分によって6〜9日(エトフェンプロックス)、27〜213日(イミダクロプリド)で、5年より大幅に短い期間で効果が失われます。
- ホウ酸の弱点は水です。雨ざらしの屋外には使えず、雨漏り・水漏れがあればその箇所から流出します。だから定期検査は絶対に必要です。
- ハワイ州・ニュージーランド・米国本土・カナダ・オーストラリア・欧州で、ホウ酸塩は建築基準や規格に位置づけられた木材保存剤です。
- ホウ酸は構造材に含浸し空気に溶け込まないため、室内環境への影響がなく、シックハウス症候群の方にも安心です。哺乳類は尿中へ排泄できますが、昆虫・菌類には作用します。
- 目的はシロアリ防除そのものではなく、構造材を守り記録を残して建物の価値=資産を守ることです。
関連ページ:農薬をつかった防腐防蟻工法の現実 ── 保証5年でも効果は長くて1年程度という推定、製品ラベルの「危険」表示、再処理できない構造材、蟻害のあった住宅の約9割が震災で全壊した調査を、一次資料で整理しています。
最終更新:/筆者:犀川泰光(日本ボレイト株式会社・ホウ酸屋株式会社 取締役)
覚えていただきたいのは、3つだけ
揮発しない、分解しない
ホウ酸塩は鉱物です。有機物ではないので、時間が経っても気化して抜けたり、紫外線や微生物で分解したりしません。濡れて流れ出さない限り、木材の中にとどまり続けます。
シロアリにも、腐朽菌にも
木材を食べるシロアリと、木材を腐らせる木材腐朽菌。木造住宅を傷める二大要因の両方に対して効果が期待できる、数少ない薬剤です。
空気に溶け込まない
ホウ酸は構造材に含浸させる工法で、揮発しないため室内の空気に出てきません。腎臓を持つ哺乳類はホウ酸を排出できる一方、昆虫や菌類には作用します。住まいの中で使う薬剤として安心できる理由です。
なぜ、ホウ酸なのか
私がこの素材にたどり着いた理由を、順を追って書きます。
世界には、ホウ酸で家を守ることが「標準」になった国がある
日本ではいまも「シロアリは出るもの、5年ごとに薬を撒くもの」と考えられています。 けれども世界を見ると、木造住宅を虫と腐朽から守る方法が制度として確立し、 その中心にホウ酸塩が据えられている国や地域が、いくつもあります。
外来種イエシロアリの被害が深刻なハワイでは、州の建築基準で 「地上部に用いる構造用製材は保存処理材でなければならない」と定められています。 その保存処理として実際に広く使われているのが、屋内構造材向けのホウ酸塩加圧処理材です。 「家を建てるときに木材そのものを守る」ことが、法律上の前提になっている地域です。
ニュージーランドにはシロアリがほとんどいません。それでも1952年からホウ素処理材を使ってきたのは、 木材腐朽菌と、木を食うキクイムシ(ボーラー)から家を守るためです。 ところが1990年代に「乾燥材なら無処理でよい」と規制を緩めたところ、雨漏りをきっかけに構造材が腐る住宅被害 (いわゆる Leaky Homes 問題)が社会問題になりました。 その反省から2004年に処理材が再び義務化され、2011年からは屋内の枠組材はホウ素処理(H1.2)が標準と定められています。 シロアリのいない国が、腐朽を防ぐためにホウ酸へ戻った——ホウ酸が「防蟻剤」ではなく「木材保存剤」である証拠だと私は思っています。
米国の建築基準(IBC/IRC)では、腐朽やシロアリから守る必要がある部位に「保存処理材」を使うことが定められており、 その処理材としてホウ酸塩加圧処理材が第三者機関 ICC-ES の評価報告書(ESR-2667)で正式に認められています。 報告書には「木材腐朽菌および地下シロアリ(イエシロアリを含む)に対して用いる」と明記されています。 日本で最も被害の大きいイエシロアリに、ホウ酸が通用することの裏付けでもあります。
カナダ環境・気候変動省の資料は、「ホウ酸塩は50年以上にわたり屋内用途に使われてきた」「現在は北米で屋内構造用の製材・木材に対して主に加圧処理で用いられている」と記しています。 木材保存の規格 CSA O80 にもホウ素処理が位置づけられています。
木造建築の業界団体 WoodSolutions の保存処理ガイドは、ホウ素系処理の用途を「屋内の枠組材・家具」とし、 同時に「溶脱するため屋外には不可」と明記しています。 どこで使い、どこで使わないか。このサイトで書いている長所と短所が、そのまま国の規格に反映されている例です。
欧州では、すでに建っている古い木造建築の補修処理(腐朽やキクイムシへの対処)にホウ酸塩が広く使われてきました。 2023年の学術レビューでは、「処理からほぼ30年後の電柱にもホウ素が残存していた」と報告されています。 揮発も分解もしない素材だからこそ、歴史的建造物の木材を交換せずに残す手段になっています。
出典: ハワイ州建築基準審議会:2018年IBC州修正 §2304.12(Cornell LII)/ HPM Building Supply「HiBor処理材ガイド」/ Standards New Zealand「木材処理制度の主な沿革」/ BRANZ「H1.2 枠組材の処理」/ ICC-ES 評価報告書 ESR-2667(ホウ酸塩加圧処理材)/ カナダ環境・気候変動省「木材保存施設:無機ホウ素(ホウ酸塩)」/ WoodSolutions(豪)「保存処理と使用区分」/ Kartal & Morrell「Borates in remedial treatments for timber in service」Journal of Boron 8(1), 2023
薬を撒き続けて追いかけるのではなく、木材そのものを、シロアリも腐朽菌も食べられないものに変えてしまう。 一度やれば終わり、という考え方です。日本の木造住宅にも、同じことができます。
家は長持ちするのに、薬剤が先に切れる
日本の一般的なシロアリ防除は、合成殺虫剤を使い、5年ごとに再処理するという前提で組み立てられています。 薬剤そのものが時間とともに揮発・分解していくため、効果が続く期間に限りがあるからです。 その「限り」が実際どれくらいなのかは、次の章で詳しく書きます。
一方で住宅は5年で終わりません。30年、50年と住み続けます。 とくに床下や壁の内部は、いちど家が建ってしまえば簡単には手が届かない場所です。 手が届かない場所ほど、長持ちする守り方が要る。 これが出発点でした。
「効かなくなる原因」をなくすという発想
合成殺虫剤の効果が薄れるのは、薬剤の分子そのものが壊れたり、空気中へ逃げたりするからです。 ならば、最初から壊れようのない物質を使えばいい。それがホウ酸塩でした。
ホウ酸塩は、アメリカ・カリフォルニア州の乾燥湖などから採れる鉱物を原料とする無機物です。 鉱物ですから、木材の中に入ったあと自然に消えていくことがありません。 だから再処理が不要です。
なぜ人には安心で、虫や菌には効くのか
ホウ酸は、生物が栄養をエネルギーに変える過程に干渉します。 昆虫やキノコの仲間(木材腐朽菌)は、体内に入ったホウ酸を外へ出す仕組みを持っていません。 一方、腎臓を持つ哺乳類——人や犬や猫——は、取り込んだホウ酸を尿として排出できます。
そしてもうひとつ大事なのが、ホウ酸処理は構造材に含浸させる工法だということです。 揮発しないので、柱や土台に入ったホウ酸が室内の空気に溶け出してくることはありません。 空気を介して体に入る経路がそもそもない。これが「安心」と言い切れる理由です。 シックハウス症候群でお悩みの方にも、この理由から安心していただいています。
ホウ酸は目薬の防腐成分やゴキブリ団子など、古くから身近に使われてきた素材でもあります。
出典: WHO 環境保健クライテリア No.204「ホウ素」日本語要約(国立医薬品食品衛生研究所) ——「ヒトおよび動物において、ホウ酸とホウ酸塩は(中略)2-3日から数日で、速やかに尿中に排泄される」/ 米国 National Pesticide Information Center「Boric Acid Fact Sheet」 ——「ホウ酸は昆虫が食べると消化器を破壊する」「体内のホウ酸の大半は4日以内に尿中へ排出される」(筆者訳)
新築がいちばん良い。でも既存住宅でも間に合う
木材の全面にホウ酸を行き渡らせるには、構造材がむき出しになっている段階—— つまり上棟後、断熱材や石膏ボードで覆われる前が最良のタイミングです。 これから家を建てる方には、設計の早い段階で検討されることをおすすめします。
すでに建っている家でも、床下からの施工で土台まわりを守れますし、 ホウ酸ダスティング処理(粉末のホウ酸を家全体の木部に行き渡らせる処理)を施せば、 壁の中や小屋裏を含めた家全体を対象にできます。これは、飛んできて屋根裏や壁から侵入する 外来種・アメリカカンザイシロアリへの対策としても有効です。
合成殺虫剤について、正直に
ホウ酸の弱点が「水に溶けて流れること」なら、合成殺虫剤の弱点は「時間が経つと効果がゼロになること」です。 フェアに書くために、こちらも同じ正直さで説明します。
保証は5年。でも効果は5年持たない
一般的な防蟻処理の保証期間は5年です。これを「5年は効いている」と受け取る方が多いのですが、 保証期間と薬剤の効果期間は別の話です。合成殺虫剤の効果が5年続くことは、まずありません。
業界団体自身が「薬剤の有効期限は5年」と言っている
これは私の意見ではありません。合成殺虫剤による防除の業界団体である公益社団法人日本しろあり対策協会は、 公式サイトのQ&Aで次のように答えています。
- 「薬剤の有効期限は5年です。5年を過ぎたからといってすぐに被害が出るわけではありませんが、シロアリを確実に防ぐには再施工をお勧めします」
- 「協会では5年を超えて長期間有効な薬剤は環境によくないと考えています。そのため認定する薬剤の有効期間は5年になっています」
- 「シロアリの薬剤は5年の効果を目処に作られているので、確実に防ぐためには5年ごとに施工して下さい」
つまり「長く効かない薬を、5年ごとに撒き直す」ことが、この工法の設計思想です。 そして実際の効果期間は、次に書くとおり5年よりずっと短いのです。
出典:公益社団法人日本しろあり対策協会 シロアリQ&A 「5年経ったら必ず再施工しなければならないのでしょうか」/ 「保証は5年となっていますが、なぜなのですか」/ 「シロアリ工事は何年ごとにするものなのでしょうか」/ 同協会「防除施工標準仕様書」
半減期という物差し
日本で使われている防蟻用の合成殺虫剤の大半は、農薬としても登録されている成分です。 農薬登録の基準では、環境中で分解される速さの目安として半減期180日が求められています。 つまり、どんなに長く見積もっても1年ほどで大半が分解される設計の成分、ということです。
実際に各成分の農薬評価書を読むと、半減期は数十日、短いものでは数日と記載されています。 正直に言えば、1ヶ月も持たないものも珍しくありません。
例を挙げます。防蟻剤に広く使われるピレスロイド系のエトフェンプロックスは、 食品安全委員会の農薬評価書で、好気的土壌における推定半減期が6〜9日と算出されています。 ネオニコチノイド系のイミダクロプリドは、土壌の種類によって27日から213日と幅があります。 長いものでも半年程度、短いものは1〜2週間。「5年」という時間とは、桁が違います。
出典: 環境省「土壌残留に係る農薬登録基準」(半減期180日で区分)/ 食品安全委員会「農薬評価書 エトフェンプロックス(第3版)」2015年/ 同「農薬評価書 イミダクロプリド(第3版)」2016年
「防腐も兼ねる」製品も、同じ時計で動いている
市販の防蟻剤には「防腐防蟻剤」として、木材腐朽菌への効果もうたう製品が多くあります。 ただし成分が有機化合物である以上、腐朽菌への効果もシロアリへの効果と同じ速さで失われます。 防腐効果だけが残る、ということは起きません。
保証は5年でも効果は長くて1年程度という半減期からの推定、製品ラベルの「危険」表示、再処理できない構造材、阪神・淡路大震災で蟻害のあった住宅の約9割が全壊した調査まで、一次資料で整理した別ページを用意しました。
価格の話ではなく、リスクの話
合成殺虫剤の処理は、ホウ酸処理より安価な場合が多いのも事実です。 しかし問題は価格ではなく、効果がなくなったあとの家が無防備になることです。 効果が短い。切れればリスクは大きい。それを運任せにしていいのか——。 判断するのは住む方ご自身ですが、判断材料としてこの事実は知っておいてほしいと思います。
他の工法と、どう違うか
どれが優れているという話ではなく、性格が違います。条件に合うものを選ぶための表です。
| ホウ酸塩処理 | 合成殺虫剤処理 | 物理的バリア工法 | |
|---|---|---|---|
| 主な成分 | 鉱物(無機物) | 有機化合物 | ステンレスメッシュ・砕石など |
| 効果の持続 | 揮発・分解しないため、流出しない限り持続。再処理不要 | 分解されて効果はゼロになる(半減期は長くて180日、多くは数十日〜数日)。5年ごとの再処理が前提 | 破られない限り持続 |
| 腐朽菌への効果 | 期待できる(効果が消えない) | 防腐を兼ねる製品が多いが、防蟻と同じ速さで効果が失われる | 構造材そのものには何もしないため、腐朽は防げない |
| アメリカカンザイシロアリ | ダスティング処理で家全体に対応できる | 薬剤が残っている間のみ | 地中からの侵入を防ぐ工法のため、飛来して屋根裏・壁から入る本種には無力 |
| においの有無 | 無臭(※ホウ酸以外の有機剤を混合した商品もあるため成分確認を) | 製品により臭気がある | なし |
| 苦手な条件 | 常に濡れる部位・雨ざらしの屋外 | 再処理を怠ると効果が切れる | 施工の隙・経年の破損 |
| 最適な施工時期 | 新築の上棟後。既存住宅も床下施工・ダスティングで可 | 新築時・5年ごと | 基礎工事時 |
※ 一般的な傾向をまとめたものです。実際の性能は製品・施工方法・住宅の条件によって異なります。
ホウ酸が苦手なこと
すすめる立場だからこそ、短所を先に知っておいてほしいと思っています。 ここを理解しないまま採用すると、期待どおりにならないことがあります。
雨ざらしの屋外には使えない
水に溶けるため、直接雨がかかり続けるウッドデッキや外構材からは流出します。こうした部位には別の保存処理が必要です。
雨漏り・水漏れは大敵
施工後に雨漏りや配管漏れで木材が濡れ続ければ、その箇所のホウ酸は流れ出ます。ホウ酸処理は、雨仕舞いがきちんとしている家で初めて力を発揮します。
再処理は不要。でも「点検不要」ではない
薬剤は切れませんが、家は変化します。雨漏り・水漏れ・ホウ酸の流出を早く見つけるために、定期検査は絶対に必要です。理由は次の章に書きました。
すでに侵入しているシロアリは別問題
木材処理は「その木を食べられにくくする」ものです。すでに蟻害が進行している場合は、まず加害状況の調査と駆除が先になります。
湿気対策の代わりにはならない
床下の換気や排水といった住まいの基本性能は、薬剤では置き換えられません。ホウ酸はあくまで最後の保険と考えてください。
施工の質に大きく左右される
塗り残しがあれば、そこが弱点になります。どこまで塗るか、何回塗るか、濃度はどうか。施工代理店の技量と誠実さに依存する工法です。
「ホウ酸」と名乗る混合品がある
ホウ酸は無臭ですが、ホウ酸にほかの有機剤を混ぜた商品も市場にあります。それでは「揮発しない・空気に出ない」という長所が成り立ちません。成分表(SDS)を見せてもらってください。
安心の前提は「含浸」であること
構造材に含浸したホウ酸は空気に溶け込まないので、暮らしの中で体に入る経路がありません。もちろん、わざわざ木を舐めに行けば話は別ですが、それは想定外の使い方です。施工中・乾燥前の管理は施工代理店が行います。
再処理は要らない。でも検査は絶対に要る
ホウ酸処理をすすめる以上、「やったら終わり」と誤解されたくありません。 薬剤は切れませんが、家は変わります。
なぜ定期検査が必要なのか
- 雨漏り・水漏れは、気づかないうちに起きる。ホウ酸の唯一の弱点は水です。濡れ続けている箇所があれば、そこだけ効果が流れ出ます。早く見つければ、乾かして再処理するだけで済みます。
- シロアリは薬剤のない場所を探す。塗り残し、後から足した木材、外構からの蟻道。定期的に床下を見れば、侵入の兆候を初期のうちに止められます。
- 家の劣化はシロアリだけではない。基礎のひび、配管の劣化、換気の不足。床下に入って見るからこそ気づけることが、たくさんあります。
つまり検査は「薬が切れたかどうか」を見るためではなく、家の状態そのものを知るためのものです。 5年ごとの再処理で薬剤代を払い続ける代わりに、検査で家の健康診断を続ける。 私はこちらの方がずっと合理的だと思っています。
維持管理は、資産を守ること
日本の木造住宅は、建てた瞬間から資産価値が下がり続け、20〜25年で建物の評価がほぼゼロになる、と言われてきました。 これは俗説ではなく、国土交通省が「個別の住宅の状態にかかわらず一律に築後20〜25年で建物の市場価値をゼロとされる慣行」があると公式に認め、 その改善指針を2014年に策定しています。 指針では、基礎・躯体については性能に応じて20年より長い耐用年数を設定してよい(長期優良住宅なら100年超も許容)とされました。
裏を返せば、評価がゼロにされてきた大きな理由は「中がどうなっているかわからない」ことです。 構造材がシロアリや腐朽で傷んでいないと証明できなければ、買う側は評価のしようがありません。
出典: 国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」の策定について(2014年3月31日)
逆に言えば、構造材が守られていて、その記録が残っている家は、年数が経っても価値を説明できます。 ホウ酸処理で構造材を守り、定期検査で状態を記録し続ける。 この積み重ねが、建物の価値を下げない——つまり、ご家族の資産を守ることにつながります。
よくいただく質問
実際に個人的に聞かれることの多い質問をまとめました。
もう建ってしまった家でも間に合いますか?
間に合います。床下からの施工で、土台・大引・床束といったシロアリの被害が出やすい下部の構造材を守ることができます。そして一度処理すれば、再処理は不要です。
さらにホウ酸ダスティング処理を施せば、壁の中や小屋裏を含む家全体を対象にできます。屋根裏や壁から侵入するアメリカカンザイシロアリへの備えにもなります。
においやシックハウスが心配です。
ホウ酸塩は無機物で無臭、常温で揮発しません。しかも構造材に含浸させる工法なので、成分が室内の空気に溶け込むことがありません。シックハウス症候群でお悩みの方にも、この理由で安心していただいています。
ひとつ注意点があります。「ホウ酸」とうたっていても、ほかの有機剤を混合した商品があります。それでは上の話が成り立ちませんので、施工代理店に成分表(SDS)を見せてもらってください。
費用はどのくらいかかりますか?
面積・階数・処理する高さ・新築か既存かによって大きく変わるため、ここで具体的な金額を書くことは控えます。一般的には、5年ごとの再処理を前提とする工法と、生涯コストで比較して判断される方が多いようです。
正確な金額は、施工代理店に現地を見てもらったうえで見積もりを取ってください。
自分で塗ることはできますか?
材料そのものは市販されていますし、DIYでされる方もいます。ただ、どの部位にどれだけの量を行き渡らせるかが効果を左右する工法なので、塗り残しが生じやすい点には注意が必要です。
また、保証を求める場合は登録された施工代理店による施工が条件になります。
ヒノキやヒバなら防蟻処理は不要では?
たしかにヒノキやヒバの心材には、シロアリが好まない成分が含まれます。ただし、シロアリには樹種の好き嫌いはあっても、その樹種しかなければそれを食べに来ます。そして辺材(白太)は、どんな樹種でもシロアリの大好物です。
さらに外来種のアメリカカンザイシロアリは、むしろヒノキを好みます。「樹種で選ぶ」と「処理で守る」は、どちらか一方ではなく、重ねるべき対策だと考えています。
どこに頼めばよいかわかりません。
ホウ酸処理を扱う施工代理店は全国にあります。下の「相談できる先」にある協会サイトから、お住まいの地域の施工代理店を探すのが確実です。
どの業者に頼むにせよ、床下に入って現状を見せてくれるか、不安をあおる説明をしないか、この2点は見てほしいと思います。
相談できる先
このサイトでは見積もりや施工のご依頼は承っていません。実際のご相談は、下記の窓口へどうぞ。
書いている人
どんな立場の人間が書いているのかを、はっきりさせておきます。

犀川 泰光(さいかわ やすひろ)
日本の木造住宅の寿命が短いという問題に対して、構造材の劣化対策(ホウ酸処理)の普及にたずさわってきました。 現在は、ホウ酸処理剤「ボロンdeガード」の開発と全国展開を担う日本ボレイト株式会社と、 地域密着で新築・既存住宅のホウ酸処理やアメリカカンザイシロアリ駆除を責任施工するホウ酸屋株式会社の、 両社で取締役を務めています。
このサイトは会社の業務とは切り離し、個人として運営しています。 会社の立場では書きにくい「苦手なこと」まで含めて、 家を建てる方・住んでいる方が判断材料にできるものを置いておきたい、というのが動機です。
- 所属
- 日本ボレイト株式会社 取締役/ホウ酸屋株式会社 取締役
- 保有資格
- 二級建築士/宅地建物取引士/既存住宅状況調査技術者/木材保存士/木材劣化診断士/ シックハウス診断士/雨漏り診断士/保険請求相談員/ 古民家鑑定士1級/古民家床下診断士/伝統再築士/日本ホウ酸処理協会 認定講師
- テーマ
- 木材保存/シロアリ防除/木造住宅の長寿命化
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